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スポーツまちづくりで起こりやすい誤解と注意点――「続かない取り組み」にしないための5つの視点

これまでのコラムでは、スポーツまちづくりの基本的な考え方や、全国で進められている背景、そして先進地域に共通する要因を整理してきました。
一方で、同じ「スポーツまちづくり」を掲げていても、期待したような広がりにつながらないケースがあるのも事実です。

スポーツ庁は、スポーツを通じたまちづくりを「地域課題の解決や暮らしの質の向上に向けた、継続的な取組」と位置づけています。
今回は、この考え方を軸に、取り組みの現場で起こりやすい誤解と注意点を整理します。

矢吹町で行われたBONDS CUPの会場準備の様子

誤解① 単発のイベントをやれば成果が出る

スポーツイベントは、地域に関心やにぎわいを生み出す有効なきっかけになります。
しかし、イベントを実施しただけでスポーツまちづくりが完結するわけではありません。

スポーツ庁の資料でも、一過性の取組ではなく、日常的な関わりや次の行動につながる仕組みづくりの重要性が示されています。

注意点:
「実施したかどうか」ではなく、「その後、地域にどのような動きが残ったか」を意識することが求められます。


誤解② スポーツは健康施策に限定される

スポーツは健康づくりの手段として注目されがちですが、それだけに位置づけてしまうと可能性が狭まります。
スポーツ庁は、スポーツがもたらす価値として、交流の促進、地域への愛着形成、人の流れの創出など、複数の側面を示しています。

注意点:
体力向上だけでなく、「人が動く」「関係が生まれる」という視点も含めて捉えることが重要です。


誤解③ 参加者は自然に増えていく

「良い取り組みなら、いずれ人は集まる」という考え方も、現場でよく見られる誤解です。
実際には、情報が届かなかったり、参加のハードルが高かったりすると、関心は広がりにくいのが現実です。

文部科学省も、誰もが参加しやすい環境づくりの必要性を強調しています。

注意点:
参加したくなる導線や、関わり方の選択肢を意図的に設計することが欠かせません。


誤解④ 事業として完結させればよい

スポーツまちづくりを一つの事業として捉えると、年度が変わった時点で終わってしまうことがあります。
一方、継続している地域では、スポーツを人材育成や地域活動、他分野施策と連動させる「考え方」として位置づけています。

注意点:
事業単位ではなく、地域に根づく視点としてどう残すかを考える必要があります。


誤解⑤ 行政だけで進めるものだ

スポーツまちづくりは行政主導で始まることが多い一方、行政だけで完結する取組ではありません。
住民、スポーツ団体、学校、企業など、多様な主体が関わることで、初めて地域に広がりが生まれます。

注意点:
「任せる」ではなく、「一緒につくる」関係性をどう育てるかが重要です。

住民や行政が参加するワークショップの様子

■ まとめ

スポーツまちづくりを「続く取り組み」にするためには、

・単発で終わらせない
・目的を一つに絞りすぎない
・参加の仕組みを設計する
・事業ではなく考え方として捉える
・多様な主体と協働する

といった視点が欠かせません。
派手な成果を急ぐのではなく、地域の状況に合わせて丁寧に積み重ねていくことが、スポーツまちづくりの本質といえます。


■ 引用・参考

・スポーツ庁
「スポーツ・健康まちづくり」推進資料
https://www.mext.go.jp/sports/content/20250529-spt_stiiki-000040208_1.pdf

・文部科学省
「スポーツによるまちづくり」
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop09/list/1372105_00002.htm

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